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7月23日付 よみうり寸評

 「安全意識の向上を図ってきたが、十分に伝わっていなかった」とJR西日本の佐々木隆之社長◆きのう、山陽新幹線の須磨トンネル内で保守車両追突事故が起きた。その前日には、事故を防ぐ機器を意図的に壊した車掌が逮捕されたばかり。福知山線脱線事故から5年、大事故を教訓に取り組んだ〈企業風土〉の改革が十分に進んでいないらしい◆〈企業風土〉は誰が言い出した言葉かは知らないがJR西日本のトップが福知山線事故で口にしてから、しばしば使われている。和辻哲郎の名作〈風土 人間学的考察〉がおおもとの起こりだろう◆風土が人間を作るという考察。例えば、その土地の寒さに耐え得る家を作るように、風土は人の精神構造に刻まれ現れる◆同様に日々の職場の空気や習慣はそこの社員の行動に影響するだろう。安全第一を目指しても事件事故は絶えない。企業風土の改革とは難しいもののようだ◆改革の遅れがもどかしく情けない。保守車両同士が衝突事故を起こすなんて保守点検の意味がない。

2010年7月23日13時52分  読売新聞)
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