育児に積極的な男性を「イクメン(育メン)」と呼ぶ。子育てパパに注目が集まっている。男性の育児参加を後押しする改正育児・介護休業法も先月施行された。父親も、もっと子育てしよう。
イクメンは、子育てや家事も積極的に楽しむ父親たちだ。厚生労働省は六月から、父親の育児体験などを掲載するホームページを開設するなど、子育て参加を後押しする「イクメンプロジェクト」を始めた。
働く母親には出産後、仕事と子育ての負担がのしかかる。父親も子育てすれば、母親は働き続けられる。子育てが孤立しがちな専業主婦にも支えになる。子供にとっても父子のきずなを強められる。
父親には仕事とは違う発想や面白さを発見できたり、地域で新しい人間関係もできる。
同省調査では、夫の休日の家事・育児時間が六時間以上の夫婦では、最近六年間に第二子以降が生まれた率は五割を超えた。夫が子育てに熱心なほど、子供を産もうという意欲が高くなる。
現実は、六歳未満児のいる男性の家事・育児時間は一日やっと一時間で、欧米の三分の一。父親の育休取得率の国の目標10%(二〇一七年度)に対し、〇九年度はまだ1・72%だ。
明るい材料は、育休取得を希望する子育て世代男性が、三割を超えていることだ。二十代前半では約四割になる。
施行された改正育児・介護休業法では、夫婦ともに育休を取ると取得期間が延びたり、夫婦が交代や同時取得もできる。
妻の産後八週間以内に夫が取った場合、再取得もできる。産後の体調回復期と、職場復帰時期に妻を支えられる。妻が専業主婦だと、夫は休業できない職場もあったが、この制度も改められる。
課題は、男性の育休中の収入減だ。雇用保険から賃金の50%が支給されるが、家計を支えるには心もとない。「取得を言い出しにくい職場の雰囲気」「キャリアアップの障害」との不安もある。制度を使えるような職場環境にする努力が、企業には求められている。
子育ては「手伝う」ものではない。父親も子育ての主役だ。「家族サービス」という義務感もひとごとという意識だ。
“育休”を取った東京の成沢広修文京区長は「日々いろいろな発見がある子育てを、女性だけに任せるのはもったいない」と呼び掛ける。子育てを楽しもう。
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