HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37673 Content-Type: text/html ETag: "100852-15e5-cc553bc0" Expires: Thu, 22 Jul 2010 21:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 22 Jul 2010 21:21:37 GMT Connection: close 臨時国会 強引な運営はもう通用しない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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臨時国会 強引な運営はもう通用しない(7月23日付・読売社説)

 月末から始まる臨時国会で、衆参両院の予算委員会が開かれることが決まった。

 参院選直後の国会での予算委開催は異例だが、野党が強く要求し、与党もこれを受け入れた。

 だが、菅首相が予算委で野党と初めて論戦をかわす場は本来、参院選前の通常国会だったはずだ。それなのに民主党は、首相交代で内閣支持率が高いうちに選挙をした方が有利とみて予算委を拒み、国会会期を延長しなかった。

 加えて、野党が提出した江田参院議長への不信任決議案なども不測の事態を恐れて事実上黙殺し、本会議を開会しなかった。

 強引な国会運営は、そもそも小沢一郎・前幹事長ら前執行部が繰り返してきたことだ。

 遅きに失したとはいえ、野党に歩み寄って予算委の開催に応じたのを機に、民主党は、これまでの国会運営を厳しく反省し、野党との話し合いを重視する姿勢に転換する必要がある。

 小沢氏らの「政治とカネ」の問題は依然、未解決のままだ。自民党の場合、疑惑を持たれた政治家は、首相経験者を含めて国会招致に応じてきた。関係者の招致を拒み続けるのは筋が通らない。

 廃案になった郵政改革法案は、わずか6時間の委員会審議だけで採決した。審議軽視の態度も改めるべきだ。

 衆参「ねじれ」国会となり、民主党は、強引に法律を成立させることは困難になった。

 こうした事情が、民主党に低姿勢を促しているのだろうが、民主党に求められるのは、数を頼った(おご)りの姿勢からの脱却である。

 野党側にも、常識的な対応を求めたい。民主党は野党時代、「ねじれ」国会の下、政府提案の国会同意人事にノーを連発した経緯がある。野党がこれに対して意趣返しするのは禁物だ。

 注目されるのは、臨時国会の冒頭で行う正副議長人事だ。

 野党側は、公正な国会運営をしなかったとして江田議長の再任を拒んでいる。だが、「比較第1党から議長、第2党から副議長」の慣例に背いて、議長ポストまで狙うのは、それこそ数を頼みにした対応で、問題が多い。

 与野党協調の国会に改まるかどうか、最初の関門だ。与野党はしっかり協議を重ねてほしい。

 予算委では、前国会からの政治とカネの問題や、消費税増税をめぐる菅首相の発言などが論点になりそうだ。限られた日数ではあるが、活発な論戦を期待したい。

2010年7月23日01時55分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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