HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37865 Content-Type: text/html ETag: "ad1a4-15ff-2471740" Expires: Sat, 17 Jul 2010 03:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 17 Jul 2010 03:21:42 GMT Connection: close 豪雨被害 的確な情報で早めの避難を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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豪雨被害 的確な情報で早めの避難を(7月17日付・読売社説)

 西日本を中心に、梅雨前線の影響による集中豪雨の被害が相次ぐ。

 土砂崩れで倒壊した家屋の下敷きになったり、増水した河川に流されたりして、大勢の死者・行方不明者が出ている。

 とりわけ土砂災害は、このひと月余りで350件を超えた。

 松江市では、住宅裏の斜面が崩れて、直径4メートルの岩2個が民家を直撃、2人が死亡した。岐阜県八百津町でも民家が押しつぶされ、住人が死亡した。

 近年、専門家からは、大規模な土砂崩れについて「深層崩壊」というメカニズムが指摘されている。長い間に風化した岩盤の亀裂に大雨がしみこみ、脆弱(ぜいじゃく)化した岩盤ごと大量の土砂が崩落する。

 森林保全で一定の予防ができる表層崩壊と違い、発生を防ぐ手だては今のところないという。対応策の研究を急ぐ必要がある。

 一方、都市部を中心に、狭い地域を突然襲う「ゲリラ豪雨」も近年の特徴だ。冷たい空気と暖かい空気がぶつかってできる積乱雲が主な原因だが、ヒートアイランド現象や地球温暖化との関係を指摘する専門家もいる。

 襲来予測が難しく、被害が一気に発生するのが怖いところだ。一昨年夏には都内でマンホール内の水が急増して作業員5人が死亡。神戸市内でも川が増水して小学生ら5人が死亡した。東京・板橋では5日、1時間に107ミリという猛烈な雨が観測されている。

 豪雨被害の防止には、精度の高い気象予測と警報の発令、それを自治体が的確に住民に伝え、早めの避難を勧めることが大切だ。

 国土交通省は大都市を中心に、雨の強さが正確に計測できる高性能レーダーの導入を進めている。集中豪雨の広範な周辺状況まで観測できる。民間でも携帯電話サイトを使ったゲリラ豪雨の予報サービスが登場している。

 気象庁は5月末から、大雨や洪水などの警報・注意報を、従来の全国375地域から市町村単位(1777地域)に細分化して発表するようにした。

 市町村には、これらの情報を住民避難の勧告や指示に、有効に生かしてもらいたい。日ごろから避難訓練を実施し、いざという時には防災無線などを使って必要な情報が確実に住民に届く体制作りをしておくことも重要だ。

 列島は南から順次、梅雨が明ける。子供たちの夏休みも始まる。海・山・川がにぎわうシーズンだ。どこへ行っても雨と水への警戒を怠らないようにしたい。

2010年7月17日01時49分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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