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7月12日付 編集手帳

 芝居の敵役に梶原景時(かげとき)がいる。嫌われる虫ゲジゲジは「下知(げじ)、下知」(命令、命令)と、彼が源氏の威光を背に威張り散らしたことに由来する、ともいう◆同じ源氏方に憎まれ役の景時がいたおかげで源義経がいっそう颯爽(さっそう)と映る。味方に引き立て役がいることの効用はかつて、小泉元首相が自民党内「抵抗勢力」を敵役にして人気を得たことでも分かる◆菅首相の引き立て役は小沢一郎氏だろう。政治資金疑惑で世の反発を買った氏と距離を置き、発足当初の菅政権は支持を集めた。“景時効果”である◆昨夜の開票結果を見れば、しかし、「颯爽」の賞味期限は短かったらしい。消費税発言のブレだけが原因ではあるまい。衆院の数の力を背に民主党は、国会での疑惑解明を望む世間の声を突っぱねた。このうえ参院でも数を握ることになれば政権が(おご)り、どんな無理難題の「下知、下知」が降ってくるか知れたものでない――有権者の不安が透けて見える◆小沢氏と距離を置いた末に選挙で苦戦した首相には、小沢グループからの風圧が強まろう。余談ながら義経は、引き立て役の景時に足を引っ張られて失脚している。

2010年7月12日03時48分  読売新聞)
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