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7月10日付 よみうり寸評

 昭和の名横綱、栃錦が、自伝の中で忘れられない場所を挙げている。1959年(昭和34年)の名古屋場所◆初日から負け知らずで14日目に優勝を決めた。が、その晩、東京から名古屋へ向かおうとした父が交通事故で亡くなる。千秋楽、栃錦は宿命のライバル・若乃花(初代)を破り、初の全勝優勝を遂げた◆89年7月には、史上初の同部屋の横綱同士による優勝決定戦が実現した。賜杯を手にしたのは、北勝海(現八角親方)を下した千代の富士(現九重親方)。場所前に愛娘(まなむすめ)を失っていた◆数々のドラマを紡いできた名古屋場所はあす初日。しかし、今年は野球賭博問題で大関1人が解雇され、幕内と十両の10人が謹慎休場する◆弟子の関与で謹慎する親方の中に、九重、八角の両親方も。テレビ中継は中止、賜杯の授与もない◆引退後に日本相撲協会理事長を長く務めた栃錦は88年1月、理事長勇退の場所の初日、元横綱双羽黒の廃業問題を謝罪した。当時は異例とされたおわび。今、珍しくなくなったことがむなしい。

2010年7月10日13時47分  読売新聞)
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