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7月9日付 よみうり寸評

 ひさしくも見ざりしすまひ人びとと手をたたきつつ見るがたのしさ――昭和天皇の御歌。国技館の貴賓席のお姿が今も目に浮かぶ◆相撲が大変お好きだった。天皇賜杯は、1925年(大正14年)に当時摂政宮だった後の昭和天皇からの下賜金で作製された◆当初の摂政宮賜杯が昭和に元号が変わるとともに天皇賜杯となり、平成の今日まで毎場所、幕内最高優勝を果たした力士に授けられてきた。銀製で高さ1・07メートル、重さ29キロ。毎場所の千秋楽を飾る〈賜杯拝戴(はいたい)〉は全力士が夢見る最高の栄誉だ◆その感動のシーンがこの名古屋場所では見られない。長い賜杯の歴史でも前代未聞の事態。賜杯、内閣総理大臣賞始め外国、地方自治体、協賛企業など外部からの表彰をすべて辞退するからだ◆「全力士が賜杯を頂くため、けいこに励んでいるから残念」と横綱白鵬。率直な感想と思う。野球賭博の大波で大ピンチの大相撲と一人横綱の責任の重圧を思う◆幻の賜杯は残念だが、存亡の危機を乗り越える白熱の土俵を期待しよう。

2010年7月9日14時19分  読売新聞)
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