HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 36643 Content-Type: text/html ETag: "fd0bc-1150-e1ff0c00" Expires: Thu, 08 Jul 2010 23:21:25 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 08 Jul 2010 23:21:25 GMT Connection: close 7月8日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

7月8日付 よみうり寸評

 小学校5年終了で京都一中をパス。中学は4年修了で旧制三高に合格。京都帝大理学部に進んだ◆3日、90歳で亡くなった文化人類学者梅棹忠夫さんの学歴だ。京都の裕福な町家に生まれ育ち、飛び級で進学したエリート中のエリートだが、中、高、大学を通してずっと山岳部の山男◆フィールドワーク(野外活動)が身上の颯爽(さっそう)とした知の巨人だが、自称「知的プレイボーイ」。面白いものを次々に見つけて世界中を歩き回った。自ら創設、長く館長を務めた国立民族学博物館は「世界中からがらくたを集めた国立古道具屋です」◆飛び級の進学だが、三高では2年生を3回やって帳尻?を合わせた。雪よ 岩よ われらがやどり……の雪山賛歌は三高山岳部歌。山に打ち込んで2年連続落第◆これは除籍が決まりだったが、級友、先輩が全教授に助命嘆願して命拾い。白線帽に黒マントの旧制高等学校に象徴される今はない古き良き時代の教育制度を思う◆ゆとり、教養とは何かを考えさせられる。梅棹忠夫さんを悼む。

2010年7月8日13時40分  読売新聞)
現在位置は
です