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7月4日付 編集手帳

 お天気博士の倉嶋厚さんは長野市で育った小学生のころ、山で採った怪しいキノコを焼きながら、「測候所、測候所…」と唱えたそうだ。“あたらない”という、おまじないである◆その私が気象予報に従事するとは…と倉嶋さんは7年前、長野県版の連載エッセーで苦笑していた。思い出話の後に〈願わくは「マニフェスト」がおまじないになりませんように〉とオチがついている。「公約」に代わってその新語が使われ始めた年だ◆公約にせよ、マニフェストにせよ、予測ではなく実行すべきものなので、当たる当たらないの話ではないはずだが、そんなイメージで揶揄(やゆ)されてしまうのも、政治の側の不徳のいたすところであろう◆天気予報の精度が高い今、ちょっと不安な食べ物を前に「気象庁、気象庁」などと唱える人はまずいないだろうが、「マニフェスト」とつぶやく人は案外いそうな気がする◆参院選では、「政策宣言」やら「アジェンダ」やら、また新しい言葉が登場して、公約の呼び名は乱立気味だ。少しでも“当たる”おまじないに使えそうなものはどれか。選挙サンデーにじっくり吟味したい。

2010年7月4日01時23分  読売新聞)
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