HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 01 Jul 2010 22:14:26 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:こんなパーティージョークが米国にあるらしい。さまざまな国の…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年7月1日

 こんなパーティージョークが米国にあるらしい。さまざまな国の人を乗せた船が沈没しつつある。救命ボートに全員は乗れない。船長がどう説得すれば、男たちは快く海に飛び込んでくれるのか▼「規則です」(ドイツ人)、「向こうで女性が見ていますよ」(米国人)、「サーの称号が与えられます」(英国人)。日本人には、耳元でそっとささやくというのだ。「みなさん飛び込まれるそうですよ」▼ジョークとはいえ、当を得ている気もして苦笑するしかない。やはり、外からは集団主義の国と見られているのだろうか▼日本人は本来、集団主義が好きではない。無理をしてそう振る舞っているという説もある。北海道大学の山岸俊男教授は、日米の多くの学生を対象にした実験で、日本人は米国人より集団主義的という“常識”を覆した(『心でっかちな日本人−集団主義文化という幻想』)▼社会のしがらみで縛られている時には協力的でも、そこから解き放たれると協力しなくなる傾向が日本人は米国人より強いという。それが本当なら、サッカーのワールドカップで議論になった「日本らしさ」とは何だと考えてしまう▼列島を熱狂させた日本代表はパラグアイに惜敗、四年後への課題が見えてきた。まずは、あいまいな「日本らしさ」の呪縛(じゅばく)から逃れ、徹底的に個の力を伸ばし、生かすことから始めてほしい。

 

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