HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 17269 Content-Type: text/html ETag: "40467c-4375-e4d26e00" Cache-Control: max-age=5 Expires: Tue, 29 Jun 2010 20:21:43 GMT Date: Tue, 29 Jun 2010 20:21:38 GMT Connection: close asahi.com(朝日新聞社):天声人語
現在位置:
  1. asahi.com
  2. 天声人語

天声人語

Astandなら過去の朝日新聞天声人語が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら)

2010年6月30日(水)付

印刷

 首相交代より、はやぶさと野球賭博、W杯で記憶されそうな6月の言葉から▼沖縄の戦没者追悼式で、普天間高3年の名嘉司央里(なか・しおり)さんが自作の詩を朗読。〈当たり前に基地があって/当たり前にヘリが飛んでいて……平凡な幸せを感じながら/ただただ「平和」を望む今/簡単にこの違和感を無視していいのだろうか〉▼豚1368頭を口蹄疫(こうていえき)で処分した宮崎県川南町の森本ひさ子さん(60)。「抵抗できない子豚を殺すのはつらい。お国のために兵隊を送り出す母親はこんな気持ちかと」▼山梨県北杜市で食堂などを営む俳優柳生博さん(73)は、周辺で雑木林づくりに励む。「経済性だけじゃない、後ろめたくない仕事がしたいと思わないかい? 確かな未来は、懐かしい風景の中にある」▼「遺族の時間はゆっくりとしか流れない。それを共有していきたい」。子を亡くした親が集う「ちいさな風の会」世話人、若林一美さんだ。「すべてが焼き尽くされても残った切り株から芽が出る。絶望の中の、希望の芽生えに立ち会っています」▼丸善丸の内本店の「松丸本舗」は、本の形態にこだわらぬテーマ別の陳列。企画した松岡正剛さんは「書店の復権には、お客さんに語りかけてくるような棚づくりが必要です」と言う▼「予定と違うこと、不連続を面白がる感覚。大きな目標に向けて造りながら考えるのがいい」。建築家の安藤忠雄さん(68)が「理想の人生」を重ねるのは、19世紀から延々と工事が続くバルセロナの聖家族教会だという。しなやかに、したたかに生きてみたい。

PR情報