HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38368 Content-Type: text/html ETag: "104aa4-16ea-bc2c96c0" Expires: Thu, 24 Jun 2010 02:21:28 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 24 Jun 2010 02:21:28 GMT Connection: close 朝鮮戦争60年 変わらない北朝鮮の脅威 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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朝鮮戦争60年 変わらない北朝鮮の脅威(6月24日付・読売社説)

 北朝鮮軍が北緯38度線を越えて突如、韓国に全面侵攻した1950年6月25日の朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)から、明日でちょうど60年を迎える。

 世界を震撼(しんかん)させた戦争は、韓国に米軍指揮下の国連軍が、北朝鮮に中国義勇軍がそれぞれついて、冷戦のただ中、約3年続いた。

 休戦協定の締結で、数百万の死傷者と焦土を残し、戦火はやんだが、それで平和が保証されたわけではなかった。南北が軍事的に対峙(たいじ)する状況に変化はなく、火種は残ったままだ。

 朝鮮戦争は、日本にも影響を与えた。当時日本は連合国軍の占領下にあり、自衛隊の前身となる警察予備隊の発足や、西側諸国との講和、日米安全保障条約締結はこの時期のことだ。

 この60年の間、朝鮮戦争に色濃く反映された東西イデオロギーの対立は冷戦終了とともに消滅し、世界は大きく変わった。

 中国は、米国、日本に次ぐ経済大国に変貌(へんぼう)した。韓国の成長はめざましい。世界の景気回復の原動力として、繁栄する東アジアに大きな期待がかかっている。

 だが、北朝鮮は改革・開放をかたくなに拒み、核開発に躍起となっている。朝鮮半島の平和と安定はほど遠い状況だ。

 その冷厳な事実を突きつけたのが、3月の韓国海軍哨戒艦の沈没事件だ。韓国は「北朝鮮の魚雷攻撃」によると断定し、北朝鮮との交易中断に踏み切った。北朝鮮は関与を否定し、ソウルを「火の海」にすると恫喝(どうかつ)している。

 日米韓3か国は北朝鮮を非難しているが、中露両国は慎重な姿勢だ。国連安全保障理事会は、速やかに北朝鮮の責任を問う決定を下すべきだ。

 北朝鮮は2度の核実験を強行するなど、軍事的な緊張を高める政策を続行している。核搭載ミサイルの開発に成功すれば、日本の安全保障はかつてなく深刻な状況におかれる。

 日本は日米同盟を基軸に、そうした脅威に対処していかなければならない。

 日米中韓露の5か国にとって、東アジアの平和と繁栄を維持することは共通の利益だ。北朝鮮の暴発を阻止するためにも、6か国協議を再開し、北朝鮮に核廃棄させなければいけない。

 北朝鮮は、金正日総書記の健康不安や経済破綻(はたん)で体制崩壊の可能性も出てきた。5か国の間で、予想される様々な混乱や危機への対策をあらかじめ詰めておくことも必要だろう。

2010年6月24日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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