
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38005 Content-Type: text/html ETag: "104a5b-15d0-bc372540" Expires: Tue, 22 Jun 2010 01:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 22 Jun 2010 01:21:42 GMT Connection: close
![]() イルカ漁映画 問題あっても妨害は許されぬ(6月22日付・読売社説)言論・表現の自由は、民主主義社会の基本だ。威圧的な抗議活動などで映画の上映を妨害することは許されない。 和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に描いた米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の国内上映が、一部で中止に追い込まれた問題である。 上映を予定していた東京、大阪の3館が今月初めに、相次いで断念を発表した。 映画の内容が反日的だと批判する団体が、映画館に街宣活動を行うなどと予告したためだ。映画の配給元の社長宅や事務所に対しては、実際に抗議活動が繰り返され、混乱を引き起こしていた。 映画館は、観客や近隣に迷惑がかかることを懸念したようだ。 一方で、3館と別の全国22の映画館で、来月3日からこの映画が順次、上映されることが決まった。卑劣な威嚇には屈しないという、配給元や映画館の強い姿勢を示したと言えよう。 こうした勇気を国民が支持することによって、自由で多様な言論は守られる。妨害による不測の事態が起きないよう、警察も警備に万全を期してほしい。 この映画は、米国の過激な環境保護団体のメンバーが、太地町を訪ねて製作した。今年の米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したが、太地町の漁業関係者の許可を得ないまま、禁止区域に入っての撮影も行われた。 入り江に追い込まれたイルカが殺され、海が血で真っ赤に染まるシーンや、漁業関係者と映画のスタッフが、撮影を巡って押し問答する場面などが描かれている。 町や漁業関係者は、肖像権侵害の恐れがあり、イルカ肉から検出されたという水銀値などについての説明にも誤認があるとして、配給会社に上映中止を求めた。 これに対し配給会社は、映った漁業関係者の顔にぼかしを入れるなど、修整には応じたが、盗撮は隠しようもなく、手法に問題があったのは事実だろう。 ただし、内容がどのようなものであれ、公序良俗に反しない限り映画という表現の自由は、最大限尊重されなければならない。 内容に問題があるというなら、上映された作品を見て、それから批判すべきであろう。 2年前には、靖国神社をテーマにした中国人監督による日中合作のドキュメンタリー映画が、右翼団体による街宣活動などで、上映中止になったケースがある。 こうしたことが繰り返されるのは、極めて残念だ。 (2010年6月22日01時23分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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