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通常国会閉幕 「逃げ」に終始した菅民主党(6月17日付・読売社説)

 政権交代による「新たな政治」への期待はしぼみ、政治の劣化を見せつけられた国会だった。

 通常国会が閉幕し、各政党は来月11日投開票の参院選に向けて走り出した。

 民主党が、予算委員会開催の提案を撤回し、国会会期も延長しなかったのは、「逃げの一手」「責任放棄」との批判を免れない。

 首相が交代した以上、菅首相の所信表明演説に対する2日間の代表質問だけでは不十分だ。予算委で審議を尽くすべきだった。

 菅内閣が、多くの国民を失望させた鳩山前内閣とどう違うのかはよく分からない。閣僚人事などでは小沢前幹事長の影響力を排除する姿勢をアピールしたが、肝心の政策の具体像は見えてこない。

 財政健全化と税制の抜本改革にどう取り組むのか。日米関係をいかに立て直すか。菅内閣の目指す政策の方向性を国会審議の中で明確にしたうえ、参院選に臨むのが政治のあるべき姿だろう。

 民主党が予算委審議を避けたのは、回復した内閣支持率が高いうちに参院選を戦った方が得だ、と判断したためだ。「選挙至上主義」とも言うべき党利党略の戦術であり、国会軽視も甚だしい。

 「政治とカネ」をめぐり、小沢氏が出席の意向を示した政治倫理審査会を開かず、説明責任を果たさない。荒井国家戦略相の事務所費問題が浮上しても、臭いものにフタをし、幕引きを図る。

 こうした「疑惑隠し」の姿勢が国民の政治不信を増幅していることを、民主党は自覚すべきだ。

 政府・与党が重要法案としていた郵政改革、地球温暖化対策、政治主導確立などの法案は成立しなかった。政府提出法案の成立率が戦後最低の54・7%では、政権党の責任を果たしたと言えない。

 自民党政権以上に「数の力」に頼った強引な国会運営をしながら、政府・連立与党の足並みの乱れや鳩山前首相と小沢氏のダブル辞任が影響したと言えよう。

 一方で、自民党も、野党第1党としての存在感を示せなかった。政府を的確に批判し、より良い対案を示すどころか、党首討論での谷垣総裁の追及の甘さや、旧態依然の審議拒否戦術には、党内から非難の声が出るほどだった。

 たちあがれ日本、新党改革、日本創新党など新党結成が相次いだのは、民主、自民の2大政党のふがいなさの裏返しでもある。

 各政党は、参院選に向けて、人気取りの公約を競うのでなく、責任ある骨太の政策論議を通じて政治の信頼回復を図るべきだ。

2010年6月17日01時43分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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