HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 16 Jun 2010 00:13:38 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:角界汚染 厳罰で不祥事一掃を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

角界汚染 厳罰で不祥事一掃を

2010年6月16日

 相撲界の不祥事は底無しの様相だ。暴力団への相撲観戦供与に続き今度は賭博だ。特に野球賭博への関与を認めた大関琴光喜の罪は極めて重い。ここまでくると相撲界挙げての大掃除が必要だ。

 芋づる式に明るみに出る相撲界の不祥事は、ファンならずとも我慢の限界だ。日本相撲協会はその怒りと失望を厳粛に受け止め、信頼回復に身命を賭すべきだ。

 相撲協会の調査で、過去五年以内に琴光喜をはじめ二十九人が野球賭博に、三十六人が花札やマージャン、ゴルフの賭け事にかかわっていたことが分かった。賭博に甘い相撲界の古い体質が浮き彫りになった格好だ。

 賭博は犯罪行為で、まして野球賭博となれば、暴力団が胴元などとして関与しているとみるのは社会人としての常識だ。琴光喜は逆に暴力団に付け込まれ、巨額の口止め料を要求されていたとの情報もある。

 土俵周りの観戦席を暴力団に手配した親方二人が処分されたばかりだ。このうち一人は暴力団との交際が後に発覚している。現役の大関が野球賭博に関与していたのだ。下位の力士を含め相撲界全体が汚染され、腐敗しているはずだ。そう疑われても仕方ない。

 相撲協会は十五日の臨時理事会で、琴光喜の名古屋場所の出場辞退を了承した。最終的な処分は他の力士らとともに警視庁の捜査を待ち検討する方針だが、ファンが再登場を温かく迎えてくれるかは疑問だ。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「うみを出し切る」と述べた。厳罰を含めた毅然(きぜん)とした対応が望まれる。

 相撲協会には個々人の刑事責任とは別次元の、国技を担う社会的、道義的な責任がある。税制上優遇されている公益法人としての資格さえ厳しく問われていることを強く自覚すべきだ。

 自浄能力が期待できそうにない今となっては、しがらみのない外部の人間のチームで調査を尽くし、全容を公開して責任の所在を明らかにする。そんな思い切った行動が求められよう。寄付行為で反社会的勢力との絶縁を宣言するだけでは、もはや失地回復は難しい。

 根本的な意識改革も急務だ。力士出身者ばかりが相撲協会の主導権を握り、閉鎖性や独善性が温存されてきた。不祥事多発の背景には、世間の常識とは懸け離れた特異体質が横たわっている。この体質を一掃できなければ、今度こそファンから見捨てられる。

 

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