HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38036 Content-Type: text/html ETag: "10048f-15a0-4c7b6c80" Expires: Fri, 11 Jun 2010 22:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 11 Jun 2010 22:21:42 GMT Connection: close 金融相交代 選挙優先が招いた亀井辞任劇 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

金融相交代 選挙優先が招いた亀井辞任劇(6月12日付・読売社説)

 選挙を第一に、国会を早々と店じまいして、野党の審議時間を制限することは将来に禍根を残しかねない。

 民主党は、必要な審議日数を確保するため、国会会期を延長し、審議を尽くすべきだ。

 国民新党の亀井静香代表が、金融・郵政改革相を辞任した。国民新党が強く主張してきた郵政改革法案の今国会成立を、民主党が参院選後に先送りしたためだ。

 亀井氏は、辞任にあたって、「両党間の約束を破られた」と述べた。民主党と国民新党の連立合意では、郵政改革法案は「速やかな成立を期す」とあり、菅首相は記者会見で今国会の成立を明言していた。言行不一致にあたる。

 ただ、亀井氏が連立にとどまったのは、離脱すれば法案成立を担保できず、選挙も与党として戦う方が得策と判断したためとみられる。亀井氏の後任には、自見庄三郎幹事長が就いた。

 民主党も、菅政権発足早々の連立離脱は避けねばならず、参院選後の連立継続と臨時国会での法案成立を確認して決着を図った。

 民主党は、会期を1日だけ延長して、菅首相や各閣僚と野党側が双方向で論戦する予算委員会を衆参各1日だけ開く方針という。

 一応、評価はできるが、参院選を前に首相が急きょ、交代したことを考えれば、不十分と言わざるを得ない。

 新首相の外交や安全保障、税財政、社会保障などの政策を明らかにしていくには、審議時間がもっと必要である。

 こうした国会日程が組まれたのは、すべて、参院選を7月11日投開票とするためだ。

 鳩山前政権に比べ、菅内閣や民主党の支持率が急回復している。延長国会で、野党の厳しい追及を受け、論戦でぼろを出すより、国会は早く閉じ、支持率上昇を追い風に選挙戦に入りたいと考えているのだろう。

 組閣後、首相側近とされる荒井国家戦略相の事務所費問題が発覚した。民主党は「架空、違法な支出はない」としているが、本当に問題はないのか。

 自民党は、民主党の小沢一郎・前幹事長の資金管理団体による土地購入疑惑などで、小沢氏の証人喚問を要求している。

 これらの問題で何ら対応せず、ひたすら追及を避ける。こうして通常国会閉幕を迎えるならば、民主党は「疑惑隠し」との批判を免れない。「クリーンな政治」も、この一事をもって看板倒れに終わるだろう。

2010年6月12日01時04分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です