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６月１０日付　よみうり寸評

　〈脱官僚よりも好評脱小沢〉――時事川柳にこう皮肉られている。内閣支持率が驚くほど〈Ｖ字回復〉した◆きょうの本紙朝刊によると、新内閣の支持率は６４％。つい先日の前回調査で１９％まで落ち込んでいたのだが、新政権の人事で〈脱小沢〉を鮮明にしたことが効いたらしい。これを「評価する」が７６％に上る◆が、新内閣にご祝儀相場はつきものだ。無論これは期待値で実績評価ではない。それを勘違いしないこと。小沢氏は国会で〈政治とカネ〉について説明をすべきだと思う人が依然８３％。辞任して済んだ話ではないということだ◆が、Ｖ字回復で久々に気をよくした民主党、とりわけ参院選の改選組は国会の会期延長なしに早く選挙をと気もそぞろ◆一方「支持率が高くなったから、選挙をやっちゃえなんて政治家は立候補しなさんな」と亀井国民新党代表。延長なしなら郵政改革法案の成立が危ういからだ◆皮肉なことにめざましいＶ字回復が連立内閣に亀裂を入れるのか？　ふたつよいこと、さてないものよ。

（2010年6月10日13時58分読売新聞）

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