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6月9日付 よみうり寸評

 〈奇兵隊〉――幕末、長州の志士、高杉晋作がつくった。藩の正規部隊に対する〈奇〉で非正規部隊◆あらゆる階級から募る。志あれば、足軽、町人、百姓、すべてよしの階級無差別の軍隊。司馬遼太郎の「世に棲む日日」に「この奇兵隊の創設から、明治維新は出発するといっていい」とある◆晋作と同じ長州出身の菅直人首相はきのう発足した新内閣を自ら〈奇兵隊内閣〉と呼んだ。草の根から生まれた政治家を自任する菅氏が組織した内閣。お殿様の息子や孫のような世襲議員の首相とは違うぞという自負でなぞらえたのだろう◆高杉晋作の機敏さは〈動ケバ雷電ノゴトク、発スレバ風雨ノ(ゴト)シ〉といわれた。新首相も「高杉晋作は逃げる時も速いし、攻める時も速い」とその果断を評した◆機敏、果断は見習うべし。ただし「逃げる時も速い」では済まないことがある。小鳩体制の二つの大きな負の遺産、〈普天間〉と〈政治とカネ〉に目はつぶれない◆「辞任で一定のけじめがついた」ではなく、確かな処理が肝要だ。

2010年6月9日14時32分  読売新聞)
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