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6月9日付 編集手帳

 歌手の田端義夫さんが人気絶頂のころ、ステージで放つ挨拶(あいさつ)ことば「オース」に客席は沸きに沸いた。ある劇場でのこと、共演する美空ひばりさんのお母さんからお願いされたという。「オースはやめてくださいな」。ひばりより拍手が多いのはオースのせいです、と◆田端さんが著書のなかで回想している。ひばりさんの歌唱がオースで色あせるとも思えないが、人気者のあとが歌いにくいのは確かだろう。その逆もある◆直前までステージにいた花形歌手が音程を外しまくったあとで、きのう発足した菅新首相の内閣はずいぶん恵まれている◆ふたつの難曲「政治とカネ」「普天間」は懸案として残るものの、小沢一郎・前幹事長と距離を置く姿勢が評価されて新政権の支持はおおむね高いようである。その“距離”が選挙向けのポーズに終われば世論への裏切りになる。ポーズでない証しに、政治資金の不正処理を国会の場できちんと説明するよう、首相は小沢氏に促すべきだろう◆首相の「オース」が本物かどうかを有権者は見つめている。〈小沢支配よ、さらば〉。その頭文字「オース」(OS)である。

2010年6月9日01時20分  読売新聞)
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