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６月７日付　よみうり寸評

　〈表紙を替えればいいというものではない。中身を変えなければダメ〉――元祖・こう言った人は自民党の伊東正義氏だった◆平成元年５月、当時自民党総務会長の氏は、退陣する竹下登首相の後継を要請されたが「表紙を…」の名言を残して総理のいすを蹴(け)った。福島県会津若松生まれ、筋を通す硬骨漢だった◆今、民主党の、そして日本の新しい表紙になった菅直人代表、新首相には〈中身を変えなければダメ〉つまり鳩山・小沢のツートップ退陣の意味を第一に考えてもらいたい◆「私もひきます。幹事長もひいていただきたい。そのことによって新しい民主党、クリーンな民主党をつくりあげることができる」と鳩山氏は言った◆〈政治とカネ〉の説明責任をどうする。とりわけ小沢氏は国会では全く説明していない。政治倫理審査会に一度は出席の気配だったがうやむやのまま◆これこそ退陣すれば済みというものではない。少なくとも政倫審にも応じないなら、参院選に向けた〈小沢隠し〉と言われても仕方がない。

（2010年6月7日13時50分読売新聞）

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