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6月5日付 よみうり寸評

 〈菅官戦争〉と呼ばれていた。菅直人氏が厚生相だった1996年、薬害エイズ問題で、ことごとく厚生官僚と対立したからだった◆被害の拡大に対する国の責任を明確にすべきだとする菅氏に、官僚は抵抗した。官僚が「ない」と言っていたエイズ対策の重要資料が、菅氏の指示で探した結果、役所のロッカーなどから見つかったこともある◆「世間向けのパフォーマンスが多い」と冷ややかに見る官僚に対し、菅氏は「何を言われようと、私は仕事をしに来ている」と突っぱねた◆その姿勢が、厚生官僚の根深い隠蔽(いんぺい)体質に風穴を開けたことは確かだろう。当時、市民派大臣として名を上げた菅氏が、第94代の首相に選ばれた◆一国のリーダーに何よりも求められるのは、大局的見地からの判断だ。官僚組織には問題もある。が、首相が適切な判断を下すためには、官僚の能力や専門性を最大限に活用することが欠かせない◆「菅」が「官」をどう使いこなしていくのか。第2次菅官戦争だけは避けなければならない。

2010年6月5日13時47分  読売新聞)
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