
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51380 Content-Type: text/html ETag: "10012c-15cc-a89d7680" Expires: Thu, 03 Jun 2010 21:21:43 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 03 Jun 2010 21:21:43 GMT Connection: close
![]() 野口さん帰還 フロンティア開拓に生かそう(6月4日付・読売社説)国際宇宙ステーションに長期滞在していた宇宙飛行士の野口聡一さんが地球に無事帰還した。 宇宙滞在期間は163日間にも及ぶ。日本人としてこれまでで最も長い。 帰還直後には「地球の空気はおいしい」と感想を述べた。久々の地球の重力に、「首に違和感がある」とも漏らしていた。 ステーションは人類の宇宙進出の最前線だ。改めて過酷なフロンティアと思う。それでも宇宙滞在中、笑顔で映像を送り続けた野口さんに、お疲れ様と言いたい。 宇宙でしかできない実験も多数こなした。筋肉の病気研究のため無重力で筋肉繊維を育てたり、新材料開発のため結晶を作ったりして貴重なデータを得ている。自ら薬剤を飲む実験もあった。 来年、再来年も日本人の長期滞在が予定されている。 もっと時間はかかるが、より有効利用できる高度な実験はできないものか。 ステーション計画を担う宇宙航空研究開発機構は、宇宙滞在をさらに実りあるものにするよう、野口さんの経験を生かすべきだ。 日本だけで年に400億円の運営経費を要するステーション計画には、最近、異論が多い。 宇宙実験の成果が産業化につながる例が限られているためだ。 加えて、オバマ米大統領が今年初め、2015年までとしてきたステーションの運用期間を、最低でも5年延長する方針を打ち出したことが波紋を広げている。 日本は単純計算でも2000億円以上のコスト増になる。延長後も継続して参加するか、文部科学省が検討を始めたところだ。 老朽化した米スペースシャトルが年内で退役し、人の輸送がロシア頼りになることも、懸念材料となっている。 野口さんも今回、行き帰りともロシアのソユーズ宇宙船に搭乗した。翼があり飛行機のように滑空するシャトルとは異なり、ソユーズは、人がカプセルに乗り込んで大気圏に突入する。 宇宙開発初期から運用され、安全性は高いが、ロシアは、他国の足元を見るかのように、輸送費用の値上げを言い出した。計画全体のコストが上昇しかねない。 そんな中、政府は、日本独自の有人宇宙船開発を視野に基盤となる研究開発を充実させる方針も打ち出した。900億円の予算が必要と試算している。 夢はある。だが、財源はどうするのか。宇宙のフロンティアを目指す検討を急ぎたい。 (2010年6月4日01時25分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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