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日中首脳会談 戦略的互恵を実のあるものに(6月1日付・読売社説)

 朝鮮半島情勢が緊迫の度を深め、東シナ海などで日中間のトラブルが続いた。こうした時こそ、日中両国は戦略的互恵関係に基づき、課題解決を目ざさなければならない。

 鳩山首相は、日本を公式訪問した中国の温家宝首相と会談し、懸案の東シナ海ガス田開発の条約交渉を、できるだけ早期に開始することで合意した。

 ガス田の共同開発は2008年6月、両国政府で合意しながら、合意を具体化するための条約交渉は、中国側が「環境が整っていない」と、難色を示していた。

 その間、中国側はガス田「白樺」(中国名・春暁)で単独開発を再開するかのような動きをみせ、日本側は懸念を表明してきた。

 ガス田開発は日中の戦略的互恵関係の進展を目に見える形で示す格好の事業だ。両国が納得できる条約案を早急に固めてほしい。

 日中間では、今年4月、東シナ海などで中国艦隊の艦載ヘリが2度、監視中の海上自衛隊護衛艦に異常接近した。

 5月初旬、中国船が海上保安庁測量船の調査活動を妨害した。日本政府が、日本の権益を侵害しているとして抗議したのは当然のことだが、中国側は、正当な活動だと反論している。

 こうしたトラブルの背景には、東シナ海の境界線が未画定なことや、海洋資源確保に躍起な中国側の姿勢、中国海軍の遠洋展開の活発化があるとみられている。

 鳩山首相はこれらの事件を念頭に中国の行動に懸念を示し、二度と起きないよう自制を求めた。

 両首脳は、海上での不測の事態を避けるための「危機管理メカニズム」の構築や、両首脳間のホットラインの開設でも一致した。当面は、再発防止策を急ぐことが肝要である。

 北朝鮮の魚雷攻撃による韓国哨戒艦沈没事件について、鳩山首相は、「国際ルールに(のっと)って北朝鮮は厳しく非難されるべきだ」と、中国側の協力を求めた。

 だが温首相は、「日中間で意思疎通を図っていきたい」と、述べるにとどまったという。

 今後は国連安全保障理事会を舞台とする外交戦に焦点が移る。

 鳩山首相は、日韓首脳会談などで、今回の沈没事件に関する韓国の対応に全面的な支持を表明している。日本は国連安保理の非常任理事国でもある。

 対北朝鮮決議の採択に向けて、日米韓で緊密な連携を図りつつ、中国が同一歩調をとるよう、働きかけを一層強める必要がある。

2010年6月1日02時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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