HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50234 Content-Type: text/html ETag: "f193d-1245-e892b840" Expires: Mon, 31 May 2010 23:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 31 May 2010 23:21:44 GMT Connection: close 6月1日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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6月1日付 編集手帳

 まだお目にかかったことはないが、広い世間には月日の姓がある。四月一日(わたぬき)さん、八月一日(ほずみ)さん、八月十五日(なかあき)さん…◆六月一日は、「うりはり」さんと読むらしい。阿部達二氏の随筆集『歳時記くずし』(文芸春秋)によれば、〈(うり)の実が張ってくるからというが、むしろ瓜割りで成熟して実が割れてくる、あるいは割ると食べごろという説のほうが納得がいく〉。初夏の風が(にお)うような姓である◆5月末、5月末、5月末…政権を浮揚させる呪文(じゅもん)のように繰り返し語ってきた鳩山首相に、迎えた「うりはり」は誤算だらけだろう◆本紙の世論調査では、「普天間」の迷走で内閣支持率は19%に下落し、首相の退陣を求める人は59%にのぼる。社民党の連立離脱で瓜は割れ、割れて食べごろの政権に野党はよだれを催している。民主党内からも首相の続投に異論が聞こえはじめた◆珍しい姓には「十二月晦日」(ひづめ)さんというのもある。師走の晦日(みそか)で日が押し詰まった意味だとか。残り少ない時を刻む、秒読みのせわしなさが漂う。誰かさんになぞらえているわけではない。

2010年6月1日02時08分  読売新聞)
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