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5月25日付 よみうり寸評

 法律に関することわざは、西洋には数多くあるが、日本には少ない。これは法の成立の違いにあるようだ◆〈法〉は西洋では人民の中で自治的に発達した。一方、東洋では神または君主が作り、人民がくちばしを入れるものではなかったから、民の知恵の粋であることわざもできなかった◆以上は日本近代法の先達、穂積陳重博士の著「法窓夜話」で読んだ。そういえば長い裁判を「公事(くじ)三年」ということや「公事と病は長く扱うべし」ぐらいしか日本のものは思い浮かばない◆裁判と病気は気長にするのがいい。あせると失敗する。そんな風に思っていたから、裁判は長いものになったのだろうか。今やそんな考えはあるまい◆先週末の21日、裁判員制度がスタートして丸1年を迎えた。いろいろ心配な発足だったが、〈案ずるより産むが(やす)し〉が、1年を経た感想ではないか◆2年目によりよい実りを望む。「社会のあり方や自分の人生について考えさせられた」と多くの裁判員経験者。その経験を広く社会のものにしたい。

2010年5月25日13時40分  読売新聞)
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