HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49797 Content-Type: text/html ETag: "fd1ad-1199-8a1a3140" Expires: Wed, 26 May 2010 00:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 26 May 2010 00:21:44 GMT Connection: close 5月26日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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5月26日付 編集手帳

 アルゼンチンのサッカー選手で、Jリーグの監督も務めたオズワルド・アルディレス氏は語ったという。〈代表監督というのは総理大臣の次に嫌われる存在である〉と。岩永修幸編『蹴球神髄』(出版芸術社)の一節にある◆結果次第で、罵詈(ばり)雑言の豪雨を総身に浴びる。精神に極度の重圧がかかる役目であるのは承知している。とはいえ、である◆韓国戦に完敗した日本代表・岡田武史監督が日本サッカー協会に「監督を続けていいものか」尋ねたという。本舞台まで3週間を切ったこの時期の“進退発言”にはいささか驚いた◆アーサー・クラークの小説『2010年宇宙の旅』(早川書房)で、宇宙船の船長が指揮官の心得を語っている。〈指揮をとる人間は間違うことはあっても、確信が持てないということはない〉。船長の自信に触れて、乗組員は実力を発揮する、と。打ち上げの秒読み途中で基地と交信し、「私が船長でいいのかしら」などと尋ねてはいけない。罵声の豪雨よ、降らば降れ。弱気は禁物ですよ、岡田さん◆私が続けていいの?――世の中を見渡せば、その言葉が似合う人はほかにいる。

2010年5月26日01時20分  読売新聞)
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