HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50369 Content-Type: text/html ETag: "b94c1-15fb-412ffdc0" Expires: Sun, 23 May 2010 22:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 23 May 2010 22:21:42 GMT Connection: close 児童ポルノ ネット画像の遮断も必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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児童ポルノ ネット画像の遮断も必要だ(5月24日付・読売社説)

 インターネットによる児童ポルノの拡散に歯止めがかからない。

 総務省は、児童ポルノが掲載されている有害サイトの閲覧をネット事業者が自主的に遮断するブロッキングを、本年度中に実施することでネット事業者などと合意した。

 犯罪対策閣僚会議が来月に策定する包括的な児童ポルノ対策に盛り込まれる予定だ。

 ブロッキングは、対象や方法によっては、憲法や電気通信事業法が保障する「通信の秘密」の不当な侵害に当たる恐れがあると懸念されている。

 しかし、欧米では児童保護の観点から導入済みの国が多い。日本の児童ポルノ規制の遅れは、国際社会の批判も招いている。

 総務省は、児童ポルノ以外の情報を遮断しないなど一定の条件が満たされるなら、現行法でも可能だと見ている。

 ネット上には無数の児童ポルノが氾濫(はんらん)しているが、摘発されるのはそのごく一部だ。性的暴行を受ける子どもの画像が繰り返しコピーされ、いつまでも消えない。

 ブロッキングを導入すれば、被害拡大を効果的に防ぐことが出来る。すべてのネット事業者にこれを義務づけるには、新たな立法措置も必要になろう。

 ネットの普及により通信と放送の融合が進む中では、通信も放送と同じように規律の下に置かれるべき場合もあるだろう。

 不当な権利侵害とならぬよう十分に配慮するのは当然だが、子どもを守るための措置は、広く国民からも理解されるはずだ。

 ただし、課題も多い。ブロッキングの対象となる児童ポルノのアドレスリストはどのような団体が作成・管理し、ネット事業者に提供するのか。アドレス管理団体を誰が監督するのか。具体策を詰めなければならない。

 最近は、ファイル交換ソフトによって児童ポルノがパソコン間でやりとりされるケースも多い。ブロッキングは困難で、犯意を立証しにくいため摘発も進まない。

 併せて、児童ポルノの単純所持を禁止することも必要だ。

 児童買春・児童ポルノ禁止法は児童ポルノの有償無償の提供や提供目的の所持を禁じている。法改正で、私的に収集する単純所持も禁止すれば摘発しやすくなる。

 単純所持を禁止する法改正案は昨年夏、民主、自民、公明の3党でほぼ合意していたが、衆院解散・総選挙で審議未了のまま廃案となった。法改正に向けての議論を急がなければならない。

2010年5月24日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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