HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50250 Content-Type: text/html ETag: "b23cc-15d6-41c89440" Expires: Mon, 24 May 2010 00:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 24 May 2010 00:21:38 GMT Connection: close 首相沖縄再訪 決断先送りのツケは大きい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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首相沖縄再訪 決断先送りのツケは大きい(5月24日付・読売社説)

 昨年末に現行案での決着を図らなかったツケはあまりに大きい、と言わざるを得ない。前途は多難である。

 鳩山首相が沖縄県を再び訪問し、米軍普天間飛行場の移設先を名護市辺野古周辺にする意向を仲井真弘多知事に伝えた。辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に代替施設を建設するとの日米の大筋合意を受けたものだ。

 だが、知事は、辺野古移設について、「大変遺憾で、極めて厳しい」と難色を示した。

 仲井真知事は当初、辺野古に代替施設を建設する現行案を容認していた。だが、首相が決断を先送りし、沖縄で県外移設を求める世論が高まる中、県内移設は困難との立場に転じてしまった。

 1月の名護市長選で、移設受け入れに反対する稲嶺進氏が当選したことも状況を厳しくした。

 昨年末に首相が社民党の反対を押し切り、現行案での実施を決断していれば、その後の展開は全く違ったはずだ。致命的な判断ミスであり、首相の罪は重い。

 鳩山首相は会談で、米軍の訓練の県外への分散移転などを通じて沖縄の負担軽減に努める考えを強調した。緊迫する朝鮮半島情勢を踏まえた米軍の抑止力の重要性も指摘し、知事の理解を求めた。

 日米合意ができても、沖縄県や地元の反対で行き詰まる事態を避けるためには、簡単ではないが、引き続き知事を説得し、翻意するよう求める必要がある。

 鳩山政権発足以来の8か月余、司令塔不在で普天間問題が迷走を重ねる中、政府と沖縄県や名護市との信頼関係は冷え切っている。政府はまず、この関係を地道に立て直さなければなるまい。

 住宅密集地にある普天間飛行場を人口の少ない県北部に移す。米海兵隊8000人をグアムに移転し、普天間など米軍6施設を返還する。一連の日米合意の実施が相当な地元負担軽減になることを丁寧に説明することも大切だ。

 普天間飛行場の辺野古移設にはほかにもハードルがある。社民党が強く反対していることだ。

 民主党内には、社民党に配慮して、月末に予定される政府案決定の先送りを求める声もあるが、そんな無定見な対応は許されない。昨年末の二の舞いになる。

 民主党は衆参両院で400議席超を有する。それが、わずか10議席余の社民党に振り回され、国の安全保障にかかわる問題が決められないようでは、国益に反する。鳩山首相の決断力と指導力が厳しく問われよう。

2010年5月24日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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