
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50432 Content-Type: text/html ETag: "b1f7c-15de-2a51e500" Expires: Sat, 22 May 2010 22:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 22 May 2010 22:21:41 GMT Connection: close
![]() あかつき出発 新時代を切り開く惑星探査(5月23日付・読売社説)日本の惑星探査機「あかつき」が、金星へ無事に旅立った。 金星は太陽と月を除くと地上から最も明るく見える天体だ。このため古くから、「明けの明星」「宵の明星」として親しまれてきた。 地球のすぐ内側で太陽を周回しており、米国や旧ソ連が、1960〜80年代に、探査機を相次いで送り込んだ。だが、その素顔はよく分かっていない。 探査機あかつきは半年ほどで金星に到達し、周回しながら、さまざまな観測をする。早ければ今年暮れからデータを送り始める。 順調な飛行を祈りたい。 期待されるのは、地球と異なる大気のなぞを解明することだ。 大気のほとんどは二酸化炭素で雲は硫酸から成る。この雲が太陽の光を反射して輝く。地表温度は約460度に達し、上空では秒速100メートルもの猛烈な風が吹く。 大きさも、質量も地球と似ているが、大気が全く違うのはなぜなのか。金星に迫ることで、地球がどう誕生し、穏やかな大気に包まれたか、ヒントが得られる。 同じ狙いから、欧州も一足早く金星探査機を送り、観測を重ねてきた。日本の探査機が到達し、観測データが一層増えれば、研究はさらに深まる。 惑星探査では引き続き、日欧が共同で2014年に水星へ探査機を送る計画だ。米国も、有人火星探査の準備段階として、小惑星の探査方針を打ち出している。 国際宇宙ステーションがほぼ完成し、次の目標として、惑星探査が新たな時代を迎えつつあるということだろう。 日本も、さらに先をにらんでいる。あかつきを載せたH2Aロケットで、世界初の宇宙ヨット「イカロス」を同時に打ち上げた。 宇宙で1辺14メートルの正方形の帆を広げ、ヨットが風を受けて進むように、太陽光の圧力に押されて進む。この技術を将来の木星探査に生かす計画という。 日本の宇宙予算は米国の10分の1程度にとどまる。巨額の予算が要る有人ロケット開発は難しいものの、惑星探査なら知恵を絞れば十分に取り組める。 あかつきも、開発費は146億円と通常の人工衛星程度だ。 ロシアに学んで有人ロケットまで実現した中国も、宇宙ヨットのような、日本のユニークな技術に関心を持っている。 ただ、あかつき後の惑星探査計画は、予算の制約で具体化が遅れている。新たな技術で、宇宙のより遠くへ、挑み続けたい。 (2010年5月23日01時18分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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