HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48993 Content-Type: text/html ETag: "fd19b-119f-259c7340" Expires: Sat, 22 May 2010 22:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 22 May 2010 22:21:45 GMT Connection: close 5月23日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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5月23日付 編集手帳

 〈イスパニアがルソンを征服したように、西洋諸国が我が国を占領しようとする動きにどう対処すべきか〉。幕府の昌平坂学問所が幕臣子弟に対して行った試験「学問吟味」は、幕末になると、かなり実践的な時事問題が出たらしい◆設問は張り出され、受験生に限らず、誰でも意見を記して提出することが出来たという。恐らくは学問所の試験に名を借りて、ともかく知恵を募りたかったのだろう◆当時の国際情勢を考えればうなずけるし、江戸幕府が意外に聞く耳を持っていたことに感心もする。だが、やっぱり少々心許(こころもと)ない◆〈北朝鮮が韓国艦船を撃沈するような、東アジアの不安定な現状にどう対処すべきか〉。現代に昌平坂学問所があって、そんな設問が掲げられたらどうだろうか。政府がその答えを持ち合わせぬまま、聞く耳だけは広げ、右往左往しているとしたら◆鳩山首相が、来日したクリントン米国務長官と普天間問題などの懸案を協議した。抑止力について最近ようやく学んだ鳩山さんはさて、学問吟味の出題者か、あるいはまだ受験生レベルか。いずれにせよ、頼りないことに変わりはない。

2010年5月23日01時17分  読売新聞)
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