HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 22 May 2010 22:14:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:能筆でも知られた弘法大師、平安京の朝堂院にあった門に掲げる…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年5月22日

 能筆でも知られた弘法大師、平安京の朝堂院にあった門に掲げる「応天門」の額を書いた時、うっかり点を一つ入れ忘れた▼「応」のどの点を忘れたのかは知らないが、これが<弘法も筆の誤り>の由来話ということになっている。大師は、えいやっと筆を投げて点を入れ、結局は見事に直してみせたそうだ▼さて、例の米軍普天間飛行場移設問題。鳩山首相は来週にも日米合意めいたものをこしらえ、期限だけは約束の「五月中」に形ばかり間に合わせたい意向らしい。しかし、地元沖縄や他の連立与党の反発は強く、なお流動的だ▼自民政権時代の日米合意に待ったをかけて始まった話なのに、結局、たどり着いた政府案というのが、それと煮たか焼いたかの内容なのだから反発は当然である。訓練の一部県外移転案を盛り込むとしても、かつての合意をAとすれば、せいぜい、A’(エーダッシュ)の内容にすぎない▼国民は首相の言った「国外か県外」、いわばBを期待していたわけで、その手腕への失望が極まったとしても不思議はない。ただ、さはさりながら、こうも考える。では、Aのまま米国に素直にハイと言っている方がよかったのか…▼無論、A’を支持する気はない。鳩山さんには投げ筆ででも何でもして即刻、Bに書き直してもらいたい。だが、A’のダッシュ、この一つの点にも、それなりの意味はあるように思うのだ。

 

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