HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48801 Content-Type: text/html ETag: "f605c-119b-2bc0ae80" Expires: Wed, 19 May 2010 20:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 19 May 2010 20:21:45 GMT Connection: close 5月20日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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5月20日付 編集手帳

 何年も前のこと、若い人が書いた文章の「真逆に言えば…」という表現にとまどったことがある。「真逆」に仮名を振るとすれば「まさか」だが、それでは意味が通らない◆「正反対」の意味で「まぎゃく」と読むらしいことを、いまは知っている。見聞きはしても自分では使うことのない言葉だが、鳩山首相の政治信条はひょっとしてこの2文字に尽きるのではないか、と思うときがある◆何も深く考えず、とにかく自民党政権がしたこと、決めたことの逆へ、逆へ。前政権が右を選んだから左へ走り、前を選んだから後ろへ動く。熟慮も要らず、勉強も要らず、楽ちんには違いないが横着きわまりない。その弊害が「普天間」に表れた◆自民党政権下でまとめられた現行案と大筋で同じ案をもとに、政府は最終調整に入るという。「最低でも県外だ」「埋め立てでなく、(くい)打ち桟橋だ」と、前政権の向こうを張って逆へ、逆へ走ってはみたものの、失敗でした――という白旗に等しい◆首相は例のごとく、「現行案しかないと、勉強して分かりました」とでも答えるのだろうか。真逆ね。読みは「まさか」である。

2010年5月20日01時43分  読売新聞)
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