HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50288 Content-Type: text/html ETag: "a198f-1629-8847ad80" Expires: Sun, 16 May 2010 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 16 May 2010 01:21:40 GMT Connection: close 日中韓外相会談 中国は対「北」圧力を緩めるな : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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日中韓外相会談 中国は対「北」圧力を緩めるな(5月16日付・読売社説)

 韓国哨戒艦沈没への北朝鮮の関与が濃厚となる中、日本、中国、韓国3か国の外相会談が、韓国の慶州で行われた。

 3月下旬に黄海で発生し、46人の乗組員が死亡した韓国哨戒艦「天安」の沈没事件は、国際的な調査団による原因調査の結果が、20日にも発表される。魚雷による爆発が原因とほぼ断定する内容とみられている。

 外相会談が、この沈没事件についての議論に時間を割いたのは当然のことだ。

 韓国の柳明桓外交通商相が、調査の状況を説明し、今後の対応について協力を要請した。

 韓国は、調査で北朝鮮の関与がはっきりすれば、国連安全保障理事会に提訴し、北朝鮮に対する制裁の強化を求める考えという。

 岡田外相は、国連安保理の非常任理事国として、韓国、米国と緊密に連携する考えを表明した。妥当な対応であろう。

 一方、中国の楊潔チ外相は、沈没事件について「冷静に見守らなければいけない」と指摘した。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)

 南北朝鮮の対立が激化して緊張が高まることを懸念してのことだろう。しかし、核実験や弾道ミサイル発射など、軍事的緊張を一方的に高めてきたのが北朝鮮であることを見誤ってはならない。

 沈没事件を受けて、北朝鮮に核廃棄を迫る6か国協議は、再開の見通しがつかなくなってきた。

 議長国の中国は早期に再開させたい意向だが、北朝鮮は依然、安保理制裁の解除などを再開の条件にしている。

 北朝鮮の要求を受け入れれば、核兵器保有の既成事実化につながる。非核化に向けて具体的な行動を取らない限り、制裁を緩めるわけにはいかない。

 中国が、先に訪中した金総書記に約束した経済援助の拡大も、制裁の効果を損ねかねない。北朝鮮への影響力はむしろ、核開発断念を迫ることに使うべきだ。

 日中韓会談に先立って行われた日中外相会談では、岡田外相が先月の海上自衛隊艦船に対する中国軍ヘリの異常接近や、今月初めに東シナ海で中国の船が海上保安庁の海洋調査を妨害したことに懸念を示し、再発防止を求めた。

 中国は東シナ海を「平和の海」にしたいと言うが、示威行動を積み重ねることで、「中国の海」化を狙っているのではないか。

 東シナ海のガス田問題でも、日中首脳間で合意した共同開発を巡る条約交渉の開始に依然応じていない。政府は毅然(きぜん)とした姿勢で臨むべきだ。

2010年5月16日01時31分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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