HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 16 May 2010 02:15:43 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:九十九歳で亡くなった鈴木俊一元東京都知事といえば、八十歳で…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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2010年5月16日

 九十九歳で亡くなった鈴木俊一元東京都知事といえば、八十歳で迎えた四度目の知事選が記憶に残る。総決起集会で、前屈姿勢のまま両手を床に付けてみせたあのパフォーマンスだ▼多選・高齢批判に始まった“鈴木降ろし”を仕掛けたのは、四十八歳の若さで権勢をふるっていた自民党の小沢一郎幹事長(当時)。参院が過半数割れしていた自民党が公明、民社両党に接近するため、都知事選を利用したといわれる▼党都連の猛反発にもかかわらず、小沢氏は元NHKキャスターの磯村尚徳氏を擁立。選挙は「老人いじめ」に同情票が集まる構図となり、鈴木さんが大差で四選を果たした▼小沢氏は責任を取って即日、幹事長を辞任した。参院の数合わせに知事選を巻き込む手法は、「剛腕」の片りんを見せつけると同時に、権力保持のためには手段を選ばないという小沢流の「原点」が見いだせる▼四期目の鈴木都政は、経済性を度外視して臨海副都心構想を推進するなど立て直した財政を悪化させ、晩節を汚した。小沢氏が明治生まれの気骨に火を付けなければ、政局の動きや都政の流れは変わっていたのだろうか▼因縁の知事選から十九年。小沢氏は悲願の政権交代を実現させたが、公共事業に絡んで建設会社からカネを集める古い体質が指弾され続けている。鈴木さんに政治家小沢一郎の評価を聞いてみたかった。

 

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