HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 12 May 2010 21:15:48 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<声なき声は後楽園で野球を見ている>と語ったのは、六〇年安…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年5月12日

 <声なき声は後楽園で野球を見ている>と語ったのは、六〇年安保当時の岸信介首相だ。時代は変わり、元巨人の堀内恒夫、中畑清氏ら有名な元プロ野球選手が参院選の目玉候補に引っ張り出されている▼“ヤワラちゃん”こと女子柔道の金メダリストの谷亮子さんも、民主党から出馬するという。「現役はもちろん続ける」と二年後のロンドン五輪で金メダルを目指すと語ったのには少し驚いた▼百戦錬磨の柔道家とはいえ、「政治家」「五輪選手」の二足のわらじをそう簡単に履けるのか疑問を感じるが、擁立に尽力した小沢一郎幹事長は「百万、千万の味方を得たような気持ち」と上機嫌だった▼無党派へのアピール効果を狙っているのだろう。著名なスポーツ選手やタレント候補者を<客寄せパンダ>と、十把ひとからげにして批判する気はない。ただ、有権者はそれほど甘くありませんぞ、とは政党に言っておきたい▼昨年、衆院選で当選した四百八十人全員が、在任期間がわずか二日なのに、八月分の歳費と文書通信費などで、二百三十万円の満額支給を受け、「日給百十五万円」と批判されたのは記憶に新しい▼法改正への動きは鈍かったが、与党はようやく日割り支給に見直す検討を始めた。「事業仕分け」で大なたを振るっていても、自らの無駄にメスを入れないなら<声なき声>は黙ってはいないだろう。

 

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