
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62536 Content-Type: text/html ETag: "100441-15f4-630cddc0" Expires: Sun, 09 May 2010 02:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 09 May 2010 02:21:45 GMT Connection: close
![]() 深海原油流出 安全策伴った海底資源開発を(5月9日付・読売社説)米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で原油流出事故が起きた。 九州の1・5倍近くに当たる広大な海域に原油が漂う。今も流出は続き終息のめどは立っていない。 現場は、英石油大手BP社が開発中の深海油田だ。 このメキシコ湾をはじめ、水深1000メートル超の深海での油田開発は、アフリカ沖から北極海まで各海域で活気づいている。海の環境を守る安全策は十分だろうか。 メキシコ湾では、魚介類が豊富に採れる。米国内で消費される海産物の4分の1が、ここから供給されていると言われる。 鳥などの野生生物や豊かな湿地帯が、流出した原油で大きな被害を受けないか、心配だ。 ルイジアナなど4州が非常事態を宣言し、オイルフェンスを設置して拡散を防ぐ対応を急いでいるが、追いつかない。 BP社が原油を海上で燃やしたり、軍が飛行機で油の分解剤を散布したりしているが、それによる環境被害も懸念されている。 事故は、現地時間で先月20日夜に発生した。深さ約1500メートルの海底を掘削していた海上施設が突然爆発した。施設は沈没し、作業員11人が行方不明になった。 原因は判明していないが、掘削穴をしっかり閉じなかったためガスが漏れて引火したらしい。 BP社は、流出個所のパイプに巨大な容器をかぶせて、原油を海上の船に吸い上げる作戦に乗り出した。一刻も早く、流出を食い止めることが求められる。 こうした施設では、本来、重大な事故を回避できる安全策を備えておくことが必須だ。ガスが漏れても爆発しない仕組みや、流出を止める複数の弁などを設けておくべきではなかったか。 米国では、BP社の安全策や連邦政府の安全規制が甘かった、との批判が噴出している。 もともと、深海油田開発による事故と、その環境への影響を懸念する声は国際的に出ていた。油田開発はより沖合へ、より深海へと広がっている。国連などを中心に安全策の検討も必要だろう。 日本も、今回の事故を「対岸の火事」と構えてはいられない。 近海ではタンカーなどによる油流出事故が繰り返されている。大量の油が押し寄せ、漁業や観光に壊滅的被害が出たこともある。北海道に近いサハリン沖では、大規模な石油ガス田の開発も進む。 大事故に備え、同じ海域にある中国、ロシア、韓国との情報交換や連携も強化しておきたい。 (2010年5月9日01時08分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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