HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62806 Content-Type: text/html ETag: "100196-1637-44e93280" Expires: Fri, 07 May 2010 22:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 07 May 2010 22:21:40 GMT Connection: close 普天間移設 首相は「結果」に責任を持て : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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普天間移設 首相は「結果」に責任を持て(5月8日付・読売社説)

 予想通りとはいえ、米軍普天間飛行場の移設問題の月内決着が一段と困難な状況になってきた。鳩山首相は、事態を打開するための「腹案」を持ち合わせているのだろうか。

 鳩山首相が鹿児島県・徳之島の3町長と会談し、普天間飛行場の航空部隊の移駐や訓練の移転への協力を要請したが、3町長は拒否し、物別れに終わった。

 政府が徳之島への移設を目指すのは、「沖縄県外」の要素を解決策に盛り込むことで、県外・国外移設を主張する沖縄県民や社民党の理解を得る狙いだろう。

 だが、米側は、海兵隊の陸上部隊の駐留する沖縄から遠い徳之島への航空部隊の移駐に反対している。訓練移転についても、宿舎や駐機場などの施設整備が必要で、地元の同意が不可欠となる。

 4月中旬の徳之島での移設反対集会には、予想以上の参加者が集まり、3町の「民意」が固まったとされる。3町長が月内に反対を覆す可能性はないと見られる。

 鳩山首相が5月という決着期限を設定した以上、その期限から逆算すれば、より早く地元調整に着手すべきなのは自明なのに、政府は動かなかった。情勢認識が甘く、政策実行力に疑問符がつく。

 さらに問題なのは、鳩山首相が最近、首相としての資質を一層疑わせる発言をしていることだ。

 「最低でも県外移設」との発言は「党の公約でなく、党首としての発言」だった、と弁明する。

 海兵隊について、昨夏には、沖縄に存在しなくてもいいと考えていたが、首相になって「学べば学ぶほど、(沖縄で)パッケージとして抑止力が維持できるという思いに至った」と、安全保障に関する知識・理解不足を認める。

 いずれの発言にも唖然(あぜん)とさせられる。党の公約と党首の発言を区別すること自体がナンセンスで、そんな言い訳が通るなら、だれも党首の発言を信用しなくなる。

 海兵隊の抑止力についても、首相に就任した後、徐々に重要性を認識しているようでは困る。

 首相の仕事は、様々な利害が衝突する重要政策について国益の観点から、その軽重や優先順位を判断し、最終決断することだ。その「結果」には責任が伴う。鳩山首相の言うように、個人的な「思い」で「愚直に努力」しても、「結果」が出なければ、評価されない。

 もっとも、鳩山首相が普天間問題で自ら動き始めたのは最近だ。それ以前は平野官房長官らに丸投げしていた。「愚直に努力」したとも言えないのではないか。

2010年5月8日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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