HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62786 Content-Type: text/html ETag: "100438-15e0-44e93280" Expires: Fri, 07 May 2010 21:21:30 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 07 May 2010 21:21:30 GMT Connection: close 世界同時株安 ギリシャ危機の飛び火を防げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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世界同時株安 ギリシャ危機の飛び火を防げ(5月8日付・読売社説)

 欧州各国と国際通貨基金(IMF)が、深刻な財政危機にあえぐギリシャに、最大1100億ユーロ(約13兆円)の支援を決めたというのに、世界の金融市場で動揺が続いている。

 6日のニューヨーク市場は、ギリシャなどの財政赤字を懸念する売りが膨らんだ。誤発注による相場急落も重なり、ダウ平均株価は一時、1万ドルの大台を割った。

 これを受けた7日の東京市場は全面安となり、平均株価の下げ幅は一時、400円を超えた。

 上海や香港など、アジアの主要市場も軒並み下落し、世界同時株安の様相を見せている。

 ギリシャから始まった欧州発の混乱は、日本にとって決して「対岸の火事」ではない。危機の飛び火でやけどする恐れはないのか、警戒が必要である。

 ギリシャに対するIMFなどの支援は、ギリシャ政府が付加価値税と物品税の引き上げや、公務員給与の削減などで、財政を立て直すことが条件だ。

 ところが、これに反対する市民のデモが激化し、死者も出た。肝心のギリシャ国内が、財政再建を巡って混迷を深めている。

 ドイツなど、支援する側の国でも、支援による負担増加に反発する世論が根強く、ユーロ圏の結束がほころび始めている。

 市場では、ギリシャと並んで財政赤字が大きいスペインやポルトガルにも危機が波及して、単一通貨・ユーロの信認が揺らぎかねないとの懸念も強い。こうした不安心理が株価を直撃したようだ。

 4月に米国で開かれた世界20か国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)は、ギリシャの財政問題にさほど踏み込まなかった。

 IMFとユーロ圏各国に任せておけばいいと判断したようだが、認識が甘かったのではないか。

 こうしたスキを今回、市場の投機筋に突かれたと言える。G7やG20は今後、真剣に対策を練る必要があろう。

 景気に不安を抱える日本は、財政悪化も深刻だ。日本の国債は95%が国内で安定的に消化されており、7割を海外の投資家が所有するギリシャ国債と事情は違う。

 だが、ギリシャの経済混乱は、国債の格付けが引き下げられたことがきっかけだ。日本も二の舞いにならないよう、他山の石としなければならない。

 日本経済の信認を最も傷つけているのは、財政再建の道筋も示さず、ばらまきを続ける鳩山政権の経済政策である。まず、ここから改めねばならない。

2010年5月8日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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