HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62064 Content-Type: text/html ETag: "ffa35-1646-1c5289c0" Expires: Tue, 04 May 2010 21:21:43 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 04 May 2010 21:21:43 GMT Connection: close 金正日訪中 中国は北朝鮮に核放棄を迫れ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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金正日訪中 中国は北朝鮮に核放棄を迫れ(5月5日付・読売社説)

 北朝鮮の金正日総書記が、約4年ぶりに中国を訪問している。中朝両国から一切の発表がないままに進行する、いつもながらの異常な北朝鮮の対中首脳外交である。

 金総書記は、北京で中国の胡錦濤国家主席と会談するとみられている。2年前に脳卒中で倒れた総書記が万全ではない体調をおして訪中した狙いは、経済と安全保障の両面で、中国からの支援、支持を取り付けることにあろう。

 胡主席は、首脳会談で、何よりも6か国協議の議長国の首脳として、金総書記に核放棄を強く求めるべきである。

 肝心の6か国協議は、再開のめどすら立っていない。

 いったんは「不参加」を表明した北朝鮮は、その後やや軟化し、経済制裁の解除など条件付き復帰の姿勢に転じた。だが、核兵器保有を含め自らの立場を正当化する姿勢には何らの変化もない。

 胡主席が6か国協議の再開をめぐり、金総書記からいかなる言質をとれるか、が一つの焦点だ。

 北朝鮮は国際社会の警告を無視して、2006年10月と09年5月に核実験を強行した。核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言し、国連安全保障理事会の制裁決議に背反して核兵器開発を公然と継続している。

 国際社会は、北朝鮮によるこうした危険な核拡散活動を断じて容認することはできない。

 中国には、NPT体制の中核メンバー国として、また安保理常任理事国として、核不拡散体制を強化すべき格別の責任がある。世界の安全を脅かす北朝鮮に、毅然(きぜん)と対処してもらいたい。

 韓国は、海軍哨戒艦の沈没事件に北朝鮮の関与が明白になれば、安保理に提訴する方針だ。金総書記には、事件との関与を否定し、中国の理解を得て、さらなる制裁を回避したい狙いもあろう。

 長年の失政によって、じり貧に陥った北朝鮮の経済は、度重なる核実験や弾道ミサイル発射で、国際社会の経済制裁強化を自ら招いた結果、さらに悪化している。

 北朝鮮にとって、最大の支援国・中国との関係強化は、破綻(はたん)した経済の立て直しに不可欠だ。

 金総書記は、胡主席との直談判で、支援や投資の拡大を要請する可能性がある。北京入りに先立って、中朝貿易の盛んな中国東北部の港湾拠点、大連市を視察したのも、将来への布石とみられる。

 胡主席は金総書記に、核武装と経済発展は両立しないことを、はっきり告げなければならない。

2010年5月5日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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