HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 28 Apr 2010 22:15:49 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:小沢氏起訴相当 重い市民感覚の議決:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

小沢氏起訴相当 重い市民感覚の議決

2010年4月28日

 小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題をめぐり、検察審査会が「起訴相当」と議決した。「市民目線からは許し難い」の言葉は極めて厳しい。検察も国民が納得する再捜査を尽くさねばならない。

 「起訴して公開の場で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。これこそが善良な市民としての感覚である」

 検察審査会が出した議決書の結びの一文が、すべてを物語る。「不起訴」という東京地検の結論を、十一人の市民で構成する検察審査会が覆した意味は重大だ。検察が再捜査し、また「不起訴」とした場合、審査会が二度目の「起訴相当」の議決をすれば、弁護士が検察官役となり「強制起訴」する運びとなる。

 小沢氏にとっては、政治資金規正法に絡む疑惑が晴れぬ状態が今後も続く。夏の参院選を前に、民主党には大ダメージとなることは間違いない。地方組織や党内にくすぶる批判の声が、新たな火の手になる恐れも十分ある。

 問題の焦点は、資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件への小沢氏の関与だ。小沢氏は「担当者がありのまま記載していると信じていた」と述べたが、審査会は「不合理・不自然で信用できない」と退けた。

 収支報告書の提出前に、側近らが小沢氏に報告・相談した趣旨の供述を直接的証拠としたからだ。小沢氏が提供した四億円を原資に陸山会が土地を購入した件も、小沢氏自身が関係書類に署名しており、状況証拠と考えた。

 この際、陸山会は銀行融資を受けてもいるが、「金利を支払ってまで執拗(しつよう)な偽装工作をしている」と判断された。そもそも側近らが「絶対権力者」たる小沢氏に無断で隠蔽(いんぺい)工作をする必要がないとも指摘した。絶大な指揮命令権限を持つ小沢氏の地位と側近らの立場を総合的に見て、「共謀」の成立に導いたわけだ。

 一般市民の常識が反映された結果といえる。共同通信が今月上旬に行った世論調査で小沢氏について「幹事長を辞めるべきだ」との回答が実に81・4%にも達したのも、カネにまつわる不信の表れだ。

 検察当局も今後、そうした市民感覚を意識せざるを得まい。

 「政治資金は一円に至るまで全面公開し、完全に透明にする」と自著で述べたのは小沢氏だ。一円どころか、億単位の「偽装」だ。小沢氏は議決を厳粛に受け止め、さらなる説明をすべきだ。

 

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