
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62447 Content-Type: text/html ETag: "add6d-15cd-4475a280" Expires: Wed, 28 Apr 2010 03:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 28 Apr 2010 03:21:41 GMT Connection: close
![]() 死刑差し戻し 最高裁が審理不足を戒めた(4月28日付・読売社説)十分な証拠がないまま被告を犯人だと推定し、死刑を適用することは許されない。最高裁が、下級審の判断をこう戒めた判決といえよう。 殺人と放火の罪に問われた被告の上告審で、最高裁が審理を1審の地裁に差し戻した。無期懲役とした1審判決、死刑とした2審判決をいずれも破棄するという異例の判断である。 「審理を尽くさずに判断し、事実を誤認した疑いがある」というのが理由である。 これにより、被告が無罪となる可能性も出てきた。 究極の刑罰である死刑を適用するには、誤判を招かない十分な証拠を必要とすることは、言うまでもない。その肝心の証拠が不十分だと結論付けた以上、最高裁の判断は妥当なものといえる。 問題の事件は2002年に大阪市で発生した。当時28歳の主婦と1歳の長男が殺害され、部屋が放火された。逮捕された被告は、主婦の元義父で、公判では無罪を主張してきた。 現場のマンションの階段にあった灰皿の吸い殻から検出したDNA型が、被告と一致した――。この鑑定結果が、1、2審が被告を犯人とした根拠の一つだった。 これに、目撃証言などを合わせ、「被告が犯人であると強く推認される」とした。 自白などの直接的な証拠がないため、状況証拠(間接証拠)のみで判断したわけだ。 これに対し、最高裁は、吸い殻の変色状況から、「事件当日よりもかなり以前に捨てられた可能性がある」と指摘した。被告が犯行に及ぶ動機についても、十分に解明されていない点などを挙げ、審理のやり直しを命じた。 状況証拠の積み重ねで、最高裁が死刑を選択した代表的な例が、和歌山毒物カレー事件の判決である。この事件でも、動機は不明のままだったが、目撃証言や毒物の鑑定結果などから、被告を犯人と結論付けた。 被告が犯人であることに疑いの余地がない十分な状況証拠を基に立証されているかどうか。重要なのは、その見極めであろう。 裁判員裁判でも、裁判員が状況証拠の評価を迫られる局面があるだろう。 今回の最高裁判決は、難事件も担当する裁判員にとって、大いに参考となるはずだ。 (2010年4月28日01時19分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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