HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62255 Content-Type: text/html ETag: "ba6e8-1656-fd96700" Expires: Mon, 26 Apr 2010 21:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 26 Apr 2010 21:21:41 GMT Connection: close 韓国哨戒艦沈没 濃厚になった北朝鮮の関与 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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韓国哨戒艦沈没 濃厚になった北朝鮮の関与(4月27日付・読売社説)

 3月26日夜に黄海で起きた韓国海軍の哨戒艦沈没事件で、朝鮮半島の緊張が高まっている。

 哨戒艦「天安」は、突然の爆発で船体が真っ二つに折れて沈没し、46人が死亡した。韓国の調査団は原因について、船内爆発や金属疲労ではなく、「水中爆発の圧力で船体が切断された」と発表した。

 韓国国防相はさらに踏み込み、「魚雷爆発」の可能性が高いと言明した。潜水艦や半潜水艇による攻撃など、沈没事件への北朝鮮の関与を強く示唆したものだ。

 現場は、韓国と北朝鮮の艦艇が衝突を繰り返してきた危険な海域だ。朝鮮戦争の休戦協定には海上の軍事境界線が明記されておらず、双方がそれぞれ別の境界線を主張していることによる。

 11年前、南北艦艇の交戦で多数の死傷者を出した北朝鮮は、国連軍が設定した「北方限界線」を無効と宣言し、自らに有利な境界線を一方的に画定した。その後も双方はこの海域で、2002年と09年に戦火を交えている。

 軍事的対峙(たいじ)が半世紀以上も続く朝鮮半島の冷徹な現実を、改めて認識せざるを得ない。

 韓国の李明博大統領は、核廃棄を北朝鮮に強く求める姿勢を貫いてきた。それまでの左派政権とは異なり、肥料と食糧の大型支援も控えている。北朝鮮の政権崩壊など事態の急変に備える計画を策定した、との報道も流れた。

 そうした韓国に北朝鮮は強く反発し、「報復聖戦を開始する」と恫喝(どうかつ)して、軍事行動もためらわない構えを示してきた。今回の沈没事件で北朝鮮に強い嫌疑がかかるのもそのためだ。

 韓国内には、軍事的対応を促す声もある。強硬論は、6月の統一地方選挙に向けて勢いづく気配だ。だが、経済や、11月の主要20か国・地域(G20)首脳会議に悪影響が及んではならない。韓国は抑制した行動で対処すべきだ。

 北朝鮮の関与が明白となれば、韓国は国連安全保障理事会に提訴し、制裁を強化する方針だ。

 その場合、韓国を支援する立場から、日米は無論、中露も協力を惜しんではなるまい。米議会は、北朝鮮をテロ支援国に再指定する動きを強めるだろう。

 北朝鮮には、半島の緊張を高めることで米国に平和協定の交渉開始を迫る狙いがあろう。だが、核廃棄を目指す6か国協議を先送りすることは断じて許されない。

 6か国協議の議長国・中国は、週末の中韓首脳会談で、早期再開への道筋を探る必要がある。

2010年4月27日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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