HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 27 Apr 2010 03:14:38 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:金融危機の引き金となったサブプライムローン関連の金融商品に…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年4月27日

 金融危機の引き金となったサブプライムローン関連の金融商品にからみ、米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)と幹部社員が米証券取引委員会から詐欺の疑いで訴追された▼あるヘッジファンドがこの商品開発に関与し、しかも、そのファンドが商品の値下がりを見越して売り注文を出しているのを知りつつ、それを隠して販売したのだという。上がると信じて買った客にすれば、まさに騙(だま)された気分だろう▼思い出すのは、原油価格が異常な高騰を続けていた二年ほど前のこと。経産次官が記者会見で米金融大手に対し「もうけさえすればいいのか」と怒りをぶちまけたことがあった▼一方で原油に投資し、他方で「原油高は今後も続く」と投資に有利なリポートを出す−。そんなやり口が高騰を加速させていると批判したのだ。その時、名指しされた一社がGSだった▼同社は今回の訴追には「根拠がない」と争う構えで法律的決着がどうなるかは知らない。だが、法令違反で訴追されずとも、事実なら、この原油の件だって十分に市場を欺く行為であろう。疑いなく「商道」に反している▼わが国でも昨今、コンプライアンス(法令順守)なる外来語が幅を利かせているが、それが、法にさえ反しなければいい、という勘違いを生まないよう願う。法令を守る、という程度のことが商いの行動基準になっては困る。

 

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