HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62291 Content-Type: text/html ETag: "15c7cf-15e2-1620da80" Expires: Sun, 25 Apr 2010 22:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 25 Apr 2010 22:21:38 GMT Connection: close 3Dテレビ 先行の韓国勢をどう巻き返す : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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3Dテレビ 先行の韓国勢をどう巻き返す(4月26日付・読売社説)

 映像が立体的にみえる3D(3次元)対応の新型テレビが、国内で初めて発売された。

 薄型テレビ市場で先行する韓国メーカーを、日本メーカーがどう巻き返すか。3Dテレビ競争の幕開けである。

 3Dテレビは、左右の目で微妙に違う映像を交互に表示する。専用の眼鏡をかけると、飛び出すような臨場感が楽しめる。

 3D映像はこれまで、映画などに限定されてきた。お茶の間でも観賞できる新時代を待ち望んでいた人は多いだろう。

 国内発売で先陣を切ったのはパナソニックだ。50型と54型の大型の2種類で、店頭価格は40〜50万円台とまだ割高といえる。

 ソニーが6月、シャープと東芝も、今夏までに追随販売する。各社の競争が過熱するほど、値下がりが期待できよう。

 今のところ、3D映像を楽しめるソフトは少ない。テレビ放送や音楽、ゲームなどのソフトの充実が普及のカギを握る。

 日本メーカーにとっては、国内市場とともに、世界市場をどう攻略するかがより重要である。韓国メーカーには負けられない。

 パナソニックは3月に米国で3Dテレビを先行発売したが、それを出し抜く形で、世界で初めて2月に売り出したのが韓国のサムスン電子だった。韓国勢では、LG電子もすでに世界発売した。

 3Dテレビの市場規模は、2013年に世界で約2700万台と予測される。この有望市場で主導権を握るメーカーはどこか。

 日本メーカーはかつて、技術とブランド力で世界を席巻した。だが、昨年の薄型テレビの市場シェアは、サムスンが4年連続で首位で、ソニーとLGは2位に並んだ。パナソニック、シャープ、東芝は4位以下と差が開いた。

 日韓の技術力に差がなくなったうえ、韓国勢は、発光ダイオード(LED)を搭載した薄型テレビの本格販売で先行したからだ。

 LEDの技術開発では日本が先んじたのに、チャンスを生かせなかったことは苦い教訓である。

 日本各社は、魅力ある3Dテレビを次々と投入し、価格戦略も工夫してほしい。眼鏡なしで楽しめる技術開発も課題になる。

 日韓の産業界を比較すると、日本は競合企業が多く、国内で消耗するケースが目立つ。対照的に企業数が少ない韓国は、世界戦略を迅速に打ち出せる強みがある。

 3Dテレビ商戦の展開によっては、日本の業界が再編を迫られるのではないか。

2010年4月26日01時23分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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