HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62381 Content-Type: text/html ETag: "bee87-15c0-bd568940" Expires: Sat, 24 Apr 2010 21:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 24 Apr 2010 21:21:37 GMT Connection: close 仕分け第2弾 中長期の戦略的視点が重要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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仕分け第2弾 中長期の戦略的視点が重要だ(4月25日付・読売社説)

 独立行政法人の税金の無駄遣いを徹底して削減することは無論、大切である。しかし、目先の費用対効果にこだわるあまり、より重要な戦略的視点を忘れてはなるまい。

 政府の行政刷新会議が、事業仕分けの第2弾の作業を開始した。4日間にわたり、104の独法のうち、10府省が所管する47法人の151事業を対象に、「廃止」「縮減」「民間移管」「地方移管」などを判定する。

 初日は、沖縄科学技術研究基盤整備機構について、大学院大学の開校準備の事務経費や職員給与が多すぎるとして、予算の縮減と管理運営体制の見直しを求めた。

 青年海外協力隊の派遣や政府開発援助(ODA)を実施する国際協力機構(JICA)については、職員給与や在外手当、旅費の一層の節減、不要資産の国庫返納などが必要と結論づけた。

 所管府省から独法、あるいは独法から関連企業・法人にOBが天下りする。その見返りに、独法や企業・法人は、随意契約などで有利な条件で事業を受注したり、補助金を受け取ったりする。こうした癒着の見直しは急務だ。

 独法同士または独法と自治体が類似した事業を行っている場合、独法を統廃合し、事業を地方に移管すれば、事業の効率化や二重行政の是正に役立つだろう。

 一方で、科学技術の研究開発法人を安易に統廃合する「数合わせ」の改革には、慎重であるべきだ。科学技術立国に欠かせない国際競争力を高める観点から、重要だと判断すれば、予算を拡充すべき事業もあるはずだ。

 そもそも事業仕分けは、地方自治体の無駄な予算の削減で一定の効果を上げた手法だ。

 はるかに事業費が巨額で、仕組みも複雑なうえ、国全体に影響する事業の是非について、わずか1時間足らずの議論を経て多数決で結論を出してしまうやり方は、乱暴であり、無理がある。

 仕分け作業は、2010年度予算の概算要求を対象にした昨秋の第1弾と同様、全面公開され、インターネットで生中継された。

 鳩山内閣の支持率の低下に歯止めがかからない中、政府・与党には、仕分けを政権浮揚のカードにしたい思惑が働いている。大衆受けを狙った政治ショーにすることは許されない。

 政府は、仕分け作業の結論を踏まえて、来月中にも独法の改革案をまとめる予定だ。冷静で慎重な議論を重ねたうえで、最終結論を出すべきだろう。

2010年4月25日01時06分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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