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天声人語

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2010年4月24日(土)付

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 東京・表参道のケヤキ並木がかわいい葉をつけ、空を仰げばもえぎのモヤがかかっている。早春の嵐に倒れた鎌倉・鶴岡八幡宮の大イチョウも、残った根元から芽吹いたという。寒暖の起伏は険しくとも、ひと雨ごとに春が深まる▼さて、待てども気配すらない政治の春である。まず自民党という古木。日の当たる庭から寒風すさぶ野に移され、季節外れの落葉が止まらない。いち早く庭を飛び出し、そこそこの枝ぶりに育った若木もあるが、野に下ってからの離党は落ち武者の風情だ▼舛添要一氏の新党も、理念より数と金を合わせたかに見える。参院選で苦戦しそうな面々を数に頼んだのか、あるいは氏が選挙の顔に取り込まれたか。ネットに「新党マキゾエ」の命名案があった▼鳩山政権を批判しながらも、保守系の小党は自民の足を引っ張る。民主党にすれば、骨っぽい社民党や国民新党に代わる連立メニューが増えるだけだろう。野党がこのざまでは、普天間や高速道料金で心おきなく迷走できるというものだ▼事業仕分けの第2弾が始まった。この政権の少ない「当たり狂言」である。落ち目の興行主としては、再びの快刀乱麻で大向こうを沸かせたいところだが、楽屋のドタバタ劇が目に入っては興もさめよう▼ふらつく民主、立ち枯れる自民。2大政党のダメ比べほど国民に不幸なことはない。雨後のタケノコのような新党の多くも、さまよう失望票の受け皿にはなれまい。政権交代から7カ月を経てなお続く政治の冬。しゃんとするまでの過渡期、ならいいのだが。

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