HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62387 Content-Type: text/html ETag: "100374-15df-c6bcb900" Expires: Fri, 23 Apr 2010 03:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 23 Apr 2010 03:21:37 GMT Connection: close 首相元秘書有罪 「説明する」も嘘だったのか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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首相元秘書有罪 「説明する」も嘘だったのか(4月23日付・読売社説)

 これまで捜査中や公判中であることを理由に、巨額資金の使途の説明から逃げて来た鳩山首相である。速やかに説明責任を果たすべき時だ。

 首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、政治資金規正法違反に問われた首相の元公設第1秘書・勝場啓二被告に対し、東京地裁は禁固2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 政治資金収支報告書に、故人を含め実際は献金していない人の名前を使うなどして総額4億円の(うそ)を書いた――。資金の出どころを偽装して、国民の監視から覆い隠した刑事責任は重大である。それを漫然と見過ごしていた首相の責任も極めて大きい。

 元秘書の裁判は終結しても、首相本人の責任論まで一件落着とはいくまい。

 鳩山首相は、母親から12億5000万円もの資金提供を受けていた。「知らなかった」と強弁し、昨年末に約6億円の贈与税を納付して幕引きを図ろうとした。

 国民からは「発覚しなければ納税もしなかったろう。税金を払うのがばかばかしくなる」という声が上がった。当然の反応だ。

 このうちの7億円余の使途も明らかになっていない。首相は「秘書に任せていた。わからない」を繰り返した。それでも、世論の批判や野党の追及に、12月には「検察の解明が終わった段階で、知りうる事実をすべて国民の皆さんに説明したい」と述べた。

 先月には「裁判が終わった暁には(検察に)書類の返還を求め、皆様方に見ていただきたい」と具体的な説明方法にも言及した。

 しかし一昨日の党首討論では一転、「資料を出す必要はない」と答弁を翻した。これには驚きを通り越して、怒りを覚えた国民も多かったのではないか。

 前言はすべて嘘だったのか。首相はただちに調査を開始して、巨額資金の使途を可能な限り国民の前で明らかにすべきだ。

 首相の責任逃れの姿勢は、民主党に対する国民のイメージを大きく損ねている。

 4億円の土地購入事件に関しての小沢幹事長や、北海道教職員組合から違法な選挙資金を受けていた小林千代美衆院議員も説明責任を果たしていない。

 首相と小沢氏に関しては、検察の不起訴処分の当否について、近く検察審査会で議決が出る見通しだ。結果によっては、検察は再捜査を迫られる。国民の追及の目も厳しさを増すだろう。

2010年4月23日01時26分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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