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4月23日付 編集手帳

 電車のなかでぶつぶつ言いながら、最後に「ナンチャッテ」と車内の人々を笑わせる。かれこれ30年以上も昔、ラジオの深夜放送から生まれた人気者、「ナンチャッテおじさん」である◆「ナンチャッテ」は辞書にない言葉と思いきや、小学館の日本国語大辞典にあった。何かを述べたあと、それが言い過ぎであったのを茶化(ちゃか)す意味合いで用いる――うんぬんと説明にある◆ときに謎めく鳩山首相の発言も、この一語を補うと意味が通う。「普天間」をめぐってオバマ大統領に告げたあのひと言も〈トラスト・ミー(私を信じて)…ナンチャッテ〉であったとすれば、のちの迷走ぶりと符合している◆偽装献金事件で政治資金規正法違反に問われた首相の元公設第1秘書に、きのう、東京地裁で「禁固2年、執行猶予3年」の判決が言い渡された。首相は偽装献金の使途も明かさぬまま、事件に幕を引くつもりらしい◆野党時代に、みずから口にした立派な言葉を思い出してもらおう。秘書が逮捕された自民党議員に、何と言ったか。〈秘書の犯罪は議員の責任だ。私なら議員バッジを外す〉…ナンチャッテである。

2010年4月23日01時19分  読売新聞)
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