HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 21 Apr 2010 22:14:37 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:事業仕分け 無駄の徹底見直しを:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

事業仕分け 無駄の徹底見直しを

2010年4月22日

 事業仕分け第二弾が二十三日から始まる。限られた事業ではあるが、独立行政法人が無駄に税金を使って役人の天下りを受け入れてきた実態をあぶり出すのは意義がある。徹底的にやってほしい。

 今回の仕分けは四十七独立行政法人(独法)の百五十一事業に絞り込んでいる。独法全体の半数以下にすぎず、下にぶらさがっている公益法人は除外された。いわば氷山の一角である。

 事前の調整で除かれた分に大物が潜んでいる可能性もあるが、今回の対象に絞ってみても、重複分野も多く、そもそも税金を使う仕事として首をかしげる事業が少なくない。

 たとえば住宅金融支援機構は民間金融機関から買い取った住宅ローン債権を証券化して投資家に売りさばいているが、そんな仕事になぜ独法が手を出すのか。

 消費者庁が所管する国民生活センターの商品テストは経済産業省が所管する製品評価技術基盤機構もやっている。国民の安全を大義名分に、天下り先を確保する霞が関の都合で重複しているのだ。

 総務省が仕切る情報通信研究機構は情報通信ベンチャーに出資している一方、経産省の縄張りである中小企業基盤整備機構もファンド出資をてがけている。

 官民ファンドは霞が関の流行になった感すらある。経産省は産業革新機構という株式会社をつくって水開発ベンチャーなどに出資する意欲をみせ、アニメ輸出まで官民ファンドで後押しする計画を立てている。産業革新機構は仕分け対象になっていない。

 行政刷新会議は今回の仕分けであぶり出した結果を基に、ぜひ独法以外にも広く目を向けて、同じような問題点を抱えた政府事業の徹底リストラを図るべきだ。

 民間でもできる仕事、むしろ官が手を出すべきではない仕事をはっきりさせていく。それによって官がやるべき本来の仕事に振り向ける財源と人材資源を生み出していく。それが根本の課題である。

 事業仕分けの手法はこれまで霞が関の密室で決まっていた予算配分の議論を一部とはいえ公開して、人々の関心を呼び起こした点に意義がある。

 ただ国民から選ばれた国会議員ならいざ知らず、民間人がどんな根拠があって仕分けできるのか、といった基本的問題も抱えている。政府が選んだというだけでは不十分ではないか。仕分け作業自体の制度的根拠・正統性についても考え直すべきだ。

 

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