HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60657 Content-Type: text/html ETag: "fd084-1190-dd0d1380" Expires: Wed, 21 Apr 2010 01:21:47 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 21 Apr 2010 01:21:47 GMT Connection: close 4月20日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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4月20日付 よみうり寸評

 ローマ神話の火の神〈ウルカヌス〉は火山を意味する英語volcanoやフランス語のvolcanの語源だ。火山が古来、畏怖(いふ)の対象だったことを示している◆噴出する溶岩、噴煙は巨大な蛇や怪物のイメージを生んだ。北大西洋の火山島アイスランドでも古典文学・サガに火山の恐怖を象徴する神が語られている◆今、噴火しているアイスランドの火山映像にその恐怖を実感する。もくもく動く不気味な噴煙は最高11キロの高さに達した。ひたすら終息を願うが、見通しは立たない◆大昔から、噴煙は日光をさえぎり、異常気象、夏のない年、大飢饉(ききん)などをもたらした。が、今や発生と同時に空の便が大混乱の事態だ◆浮遊する灰が飛行機のエンジンに詰まる。停止、墜落、そんな危険があっては飛べない。車、鉄道、船舶など代替輸送も容易ではない。人の移動も物流も大混乱。何よりも安全を大前提に、閉鎖している空港の段階的緩和を望むばかりだ◆世界が狭くなれば、ウルカヌスの猛威はそれだけ速く甚大に広がる。

2010年4月20日13時53分  読売新聞)
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